ときには組長の にこ(プロフィールはこちら)です
わが家の暮らす地域には、自治会があり、その下に町内会があり、その町内会をさらに細かくわけた「組」というものがあります。
ひとつの「組」には、大体10世帯ほどが所属。
その「組」のなかで、年度ごとに「組長」という役割が、順番でまわってきます。
今回はそんな組長のお仕事の1つ「募金を集金」したときのお話しです。
赤い羽根共同募金と緑の募金の集金
1年に1~2回「赤い羽根共同募金」と「緑の募金」の集金が、組長の仕事の1つです。
各募金の1口の金額
- 赤い羽根共同募金:500円
- 緑の募金:50円
どこの家庭も、だいたい「550円」を支払います。
初めて組長になった私は、一軒ずつ訪問しながら募金の集金をしました。
そして訪れたあるお宅。
募金の集金にきました♪
私のこの言葉を聞いた、この家のおじさん。
「待ってました!!」とばかりに、意気揚々と家から飛び出してきました。
そこから玄関先で、おじさんの演説がはじまったのです。
※ おじさんの見解です
「赤十字のトップなんて、ふ◯んして……」
「なにをやってるかわからんような組織……」
「新聞で読んだけど……」
「募金は強制的なものじゃない……」
「◯▼□✕!#$……!!」
私はこのての状況は、なんともないタイプなので(笑)、しばらくフムフムと話を聞いていました。
するとおじさんが
「『募金の集金なんかやめろ』と町内会長に言っとけ~」と、演説の締めのお言葉。
は~い
おじさんのお宅をあとにしました。
おじさんの言うことにも一理あるのでは?
おじさんの家からの帰り道。
こわかった~
ムカつく~
なんて気持ちには、まったくなりませんでした。
「おじさんの言うことも一理ある!!」と思えたんです。
そもそも
「赤い羽根共同募金」と「緑の募金」の集金
「募金を集金」って、なんだか変な話…
そんなわけで、帰宅後さっそく調べてみました。
全国各地で「集金する募金」に対していろんな問題が起きていることを知りました。
例えばこんな記事
おじさんの言うことは「一理ある」というより「けっこう正論」じゃん。
「募金」なんだもん、個人の自由だよね。
まぁ、正しい意見でも「伝えかた」はあるような気がしますが……。
ほとんどの人が、当たり前のように「はいはい」と受け入れるものに対して「No!!」と言えるおじさんって
やるじゃん♪
町内会長へ報告しに行く
集金した募金は、町内会長のお宅へ届けます。
町内会長に「一軒は集金できませんでした」と言うと
名前は伏せて伝えたのに「◯◯さんね。はいはい」と、すぐに理解したようでした。
あっそうか……。
いつものことなんだ……。
って
き~てないよ~
前組長さんよぉ~引き継ぎのときに前もって教えておいてくれよーーー。
それだったら、私も「おじさんの演説」を回避できたのにーーー。
とは、思いませんでした 笑。
「募金の集金問題」について考えることができたしね。
だけど「募金をしない◯◯さん」ってことで、みんなが承知しているなら集金に行っていないのでは?
そう考えると、あの勢いで玄関から飛び出してきたのには納得できました 笑。
久々の演説だったのかもね
でも、町内会長に報告したときの違和感。
「◯◯さんには困っている」かのような言いかた………ちがうよね?
おじさんは、とっても真っ当なことを言っているよね
赤い羽根共同募金には問題があるけど……
おじさんのおかげで、当たり前のように支払っていた「赤い羽根共同募金」について考えることができました。
私の住む地域では、おじさんは異例中の異例の人。
ほとんどの人が、集金に行っても「はいは~い」と何も言わずに普通に支払ってくれるので、集金のつらさはありません。
その反面、募金に対して疑問をもっていても言い出しにくい環境です。
今回「募金の問題」について学ぶことはできましたが、次回から
払いません♪
と、断ることはできません(まさにこれ⬇⬇)
しかし赤い羽根共同募金は、募金団体が自ら呼びかける募金ではなく町内会の徴収業務にすり替えられています。強制ではないと言いながら町内会に集めさせることで「町内会の当番として徴収に回らないといけない」「断りにくい町内会の集金で、割り当てられた要求額を差し出さないといけない」状況に追い込むわけです。
「寄付」なのに断れない 自治会の集金、住民の悩みの種|地域街作りサイトより一部引用
「これだからいけないんだ」と思いますが「550円」ですむなら……と支払ってしまうでしょう。
おじさんのような勇気は持てません。
すごいよ!! おじさん!!
(ここまで触れてきませんでしたが「緑の募金」も同じような問題アリです)
今回の件で思ったこと
今回おじさんの演説のおかげで、いろいろと考えることができました。
調べてみると「募金の集金に行くのが辛い」という声もありました。
役割の1つとして「募金の集金」を恐る恐るイヤイヤやっている人もいました。
そしてその人は、別のときには「募金を集金される人」(っつーか、集金しながら募金を払っている人)
そんな人に怒りをぶちまけてもしょうがないと思いませんか?(いやな態度をとることも同様)
ねっ、おじさん
散々「おじさん」と言ってきましたが、私ももう、すでに肝のすわった「おばさん」です。
40代、よほど動じませんよ
ママだから平気だっただけ
「おじさん」は私の親世代。
「募金を支払う気がない」という意思は、怒ることなく冷静に伝えるべきだと思います。
「怒り」をぶつけるなら、もっと上の組織へ。
そしてこれから「募金の集金をする立場」になったとき。私も心がけようと思いますが
募金どうしますか?
と、相手が選択できるようにするといいですね。
(いやな顔をされることも減るかも⁉)
そして「払わないのも自由」ということも忘れずにいたいです。
今年度も「募金の季節」がやってきました。
今年度の組長さんが、集金の際に「募金は自由なんでね。どうする?」と聞いてくれたんです!!
この家に入居して約10年。
今まで1度も聞かれたことがなかったのに。
そういう人もいるんだ♪
今度わたしが組長になったら「募金どうしますか?」って絶対に聞こう!と勇気をもらえました。
(ちなみに、募金はお支払いしましたが……)
ところで…おじさん家が「組長」のときは?
「おじさんのおかげで募金のことを考えるこができたよ。ありがとう」
と、素直に終わることのできない私 笑。
そういえば…おじさん家が組長のときって…募金の集金に…
いや、来てもらっていいんです 笑。
ちょっと遊びたくなりました。
あっ、それからこの「おじさん」
「いい人」なのであしからず。
追記:募金の集金に変化がおきた
この記事を書いたのは、2021年7月でした。あれから3年ちかくたちました。
今年度(令和6年度)は4月中旬頃、ポストに「赤い羽根共同募金」のシールが入っていました。
今年度から、町内会費が値上がりしました。そして、募金は町内会費に含まれることになったのです。
組長さんが募金の集金をする必要はなくなりました。
そのかわり、募金はほぼ強制のものとなりました。
「おじさん。おじさん。あなたはどんな反応をしているの?」と、とても気になる今日このごろですが、わざわざ訪ねに行く勇気もありません(する必要もない 笑)
また私が組長になったとき、その答えを知ることができるでしょう。
それにしてもなんだろうね。まったく。
おしまい。
初回公開日:2021年7月16日
最新版公開日:2024年4月28日
コメント
コメント一覧 (2件)
現役の町内会です。調査筋の話では。心清き方から集めた募金は、外国へ回り
戦争の資金、だから力を入れ無くして集めて下さいと組長に回ったところ、
自治体から家庭訪問に参上、ならば訴訟をしてくれと返事をいたしました。
コメントありがとうございます。
募金の問題は色々あるんですね…。
勉強になりましたm(__)m